【共生社会推進課】令和7年度第2回宮城県地域共生社会推進会議~人、分野、世代をつなぐ 共に創る地域共生社会~を開催しました。

 令和7年12月22日に開催した宮城県地域共生社会推進会議(以下「本会議」という。)は、令和4年2月に宮城県と本会が共同して立ち上げたプラットフォームで、今回で7回目の開催となりました。
 本会議は、分野を超えた様々な関係者が相互に連携・協働できるように事例報告などを通じて、地域共生社会の実現に向けて理解を深めることを目的に開催しました。

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基調講演「地域共創とは‐地域共生社会の実現を目指して‐」

宮城大学 事業構想群 教授 佐々木 秀之 氏

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・宮城大学では、入学直後の1年生全員(約400名)を地域フィールドワーク(蔵王町、加美町等)に出しており、入学直後に地域を見せることが重要だと思っている。学生たちはいずれ卒業し、多くは東京や仙台の中心部へ就職するが、学生時代に深く地域に関わることで「コミュニティ・オーナーシップ(地域への当事者意識)」が育まれる。
・先週「農福連携学会」が設立された。農業と福祉の連携は担い手不足の農業と、働く場を求める障害者のマッチングであり、まさに「共創」のモデルと言える。お互いの強みを活かして新しい価値を生み出すことが重要となる。
・地域共生社会の実現には、行政や福祉の専門職だけでなく、企業や学校、若者など、多様なプレイヤーを巻き込むことが不可欠となる。
・「できない理由」を探すのではなく、今ある資源をどう活かし、誰と組めば「ユニークな価値」が出せるか。その視点で一緒に取組むことが重要となる。

情報提供「農福連携をめぐる情勢」

農林水産省 東北農政局 宮城県拠点 
地方参事官(宮城県担当)長田 恵理子 氏

<主な内容>[504 KB]
・農業界は、障害者、高齢者、生活困窮者、引きこもりの方、刑務所出所者など多様な方々の力を借りることで、農業自体も元気にできると考えている。
・農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現する取組であり、農業側の労働力の確保や耕作放棄地の解消と、福祉側の障害者の就労先の確保や工賃(賃金)の向上につながるなど、双方に利点がある。
・東北農政局では「東北農福連携ネットワーク」を構築しており、年1回以上の情報交換会を実施している。農業分野での就労支援に関心のある方はぜひ加入してほしい。
・農福連携は単なる労働力確保ではなく、多様な人材が農業で活躍できる「新しい価値」を生み出す取組であり、ぜひこの機会に農福連携について知り、活用を検討してほしい。

事例報告

事例①「有限会社耕佑×NPO法人BALLOON」

有限会社耕佑 代表取締役 伊藤 秀太 氏

<主な発表内容>[541 KB]
・人口減少に伴い、労働者の確保が困難になったため、平成24年頃から障害者雇用を開始した。
・能力や成果に応じた報酬体系を導入したことで「一般雇用と障害者雇用に大きな差はない」と確信し、戦力として捉えるようになった。
・「障害者が作った」という付加価値をあえて掲げず「消費者が普通に欲しいものを普通に作る」という、プロの農業者としての品質と対価にこだわっている。
・令和6年にNPO法人「BALLOON」を設立し、利用者の送迎や作業支援を行っている。将来的には職場の近くにグループホームを設置することも検討している。
・今後の展望として、農業の高齢化・担い手不足の解決策として「農福連携」を広めたいと考えており、曖昧になりがちな「障害者雇用における報酬基準」を確立し、他の農家が導入しやすいモデルになることを目指している。

事例②「防災から“ふ・く・し”へ ~新しいつながりを生む『支え合い』地域をめざして~」

 大崎市古川清滝地区公民館 
生涯学習主任兼事務主任 相原 由美 氏

<主な発表内容>[435 KB]
・地元の清滝小学校の統廃合(令和3年)とコロナ禍により、長年続けてきた「こども防災教室」などの地域のつながりが途絶える危機に直面した。
・小学校がなくなっても「地域のことは地域で助け合う」体制を維持し、地域の防災意識と結束力(地域力)を再構築することを目指している。
・主な取組内容として、従来の運動会に防災訓練を組み込んだ「防災運動会」を年1回行っている。黄色及び白色のタオルを使った安否確認訓練や、防災○×クイズやタンカリレーなど、楽しみながら世代を超えた交流を行うことで「顔の見える関係」を作り、有事の際の迅速な救助につなげられるように取組んでいる。
・他にも「ルンルン倶楽部」という各地区の集会所で会食やお茶会を開催している。移動手段のない高齢者も参加しやすく、孤立防止と情報共有の場となっている。
・取組を通じて、特定のリーダーがいなくても、住民一人ひとりが自律的に動ける「地域の力」を育むことと、清滝地区の強い結束力を活かし、住民の声に耳を傾けながら、無理なく助け合える関係性を守り続けていく。

事例③「地域企業ができる地域共生社会」

 宮城中央ヤクルト販売株式会社 総務部広報チーム
  係長 村上 和広 氏

<主な発表内容>[646 KB]
・宮城中央ヤクルト販売株式会社は、正規雇用の他に障害者雇用やアスリート雇用があり、他にも職員の働きやすい環境づくりとして保育園の運営を行っている。また、地域貢献活動として子ども食堂への寄付や学校などへの出前授業など、様々な取組を行っている。
・「見守り活動」では、ヤクルトレディが商品を届ける際、独居高齢者の方への声掛けや、異変がないかの確認を行っている。自治体や警察と協定を結び、何かあればすぐに連絡できる体制をとっており、実際に訪問時に異変に気づき、救急搬送につながった事例もあった。
・県内の社協との連携事例として、塩竈市社会福祉協議会からの依頼で、週1回独居高齢者にヤクルト商品を届けており、その際に見守り活動を行っている。
・孤独・孤立への対応が社会課題となっている中、ヤクルトレディの定期的な訪問は、独居高齢者等への社会とのつながりをつくる役割を担っている。今後もヤクルトお届けシステムの強みを生かした取組を続けていきたい。

総評・質疑応答

 宮城大学佐々木教授に各団体の活動の意義や今後の活動への期待などについて、コメントと登壇者への質疑応答を行いました。
<主な内容>
・今日の結論は「一人(一団体・一企業)でやろうとしないこと」。
・地域課題は複雑化しており、行政、社協、企業が個別で解決できる時代ではない。
・企業が持つ「経営資源」、NPOや福祉が持つ「専門性」、地縁組織(公民館など)が持つ「人のつながり」、そして学校や若者が持つ「未来への視点」、これらを混ぜ合わせ、つなぎ合わせる「コーディネーター」の存在が、これからの地域共生社会には不可欠になる。
・今回の会議を通じて、できない理由を並べるのではなく、できることを掛け合わせることで、新しい地域の価値や、誰もが安心して暮らせる「地域共生社会」が実現していくのだと確信した。

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△ 総評・質疑応答の様子①           △ 総評・質疑応答の様子②

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△ 会議の様子                 △ パネル展示の様子

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 今後も、本会では本会議を通じて、様々な主体による地域共生社会の実現に向けた取組の共有を行うことで、県内での取組がさらに活性化するように努めていきます。