宮城県地域共生社会推進会議では、宮城県内の困りごとを抱えた高齢者・障害・子ども等の分野を超えた支援や地域住民の支え合い活動及び自治体・社協・福祉関係団体、NPO、企業などの連携事例を調査し、活動内容などについて情報発信を行っています。
今回は美里町で子どもと大人が協力して魅力的なまちづくりを行っている「みさとっこマーケット」の実行委員であり、発起人の一人である小川氏に取材してきましたので、御紹介します。
インタビュー:みさとっこマーケット実行委員会 実行委員 小川 久美子 氏
※ 写真はみさとっこマーケット実行委員会の皆様(上段左 小川氏)
-この取組を始めた経緯を教えてください。[153 KB]
令和2年に町の「美里女子」という女性だけで集まるイベントに参加した際に、自分で楽しめるお祭りやフリーマーケットができないかなと思ったことがきっかけでした。また、別のイベントに参加した時に、自分の想いに賛同してくれた方との出会いも取組を始めようと思ったきっかけになりました。
-最初はどのような取組からスタートしましたか?
令和2年11月に最初の話し合いを行い、まずは美里町に古くからある小牛田朝市でテントの一角をお借りし、何組かの出店者を募り、朝市を盛り上げながら、「みさとっこマーケット」という団体が立ち上がったことを宣伝することから始めました。その後、1年間は私たちの練習を兼ねて出店を行う中で、地域の方々に助けてもらいながら準備を進め、令和4年から本格的に「みさとっこマーケット」を始めました。
-具体的な取組について、教えてください。
令和4年から10月の第2日曜日に、美里町駅東地域交流センターを会場として、キッチンカーブースや出店ブース、オープニングには宮城県小牛田農林高等学校吹奏楽部によるファンファーレと演奏、キッズ向けイベント(ハロウィンウォーク)なども行っています。令和6年からは、小学生が企画・運営する「おまつり隊べごっち屋」という室内で遊べるスペースが増え、風船ハウスや輪投げ、宝探しなどを行いました。令和7年は使用する会場が増える予定で、駅東地域支援センター会場近くのこども園で5インチゲージを走らせるコーナー、新美里中学校ではステージ発表やお祭り隊べごっち屋のバージョンアップした企画などを計画しています。
[798 KB]▲フリーマーケットの様子
[1 MB]▲モルック体験の様子
-協賛出店されている企業には、どのようにアプローチされたのか教えてください。
最初は顔見知りの方に声掛けをして、出店してもらうことが多く、アイコープさんや明治安田生命さんなども仕事の関係でつながりがあって、御協力いただくことができました。令和7年で4回目の開催になりますが、少しずつ出店してくれる店舗さんや企業さんが増えてきていて、みさとっこマーケットをきっかけに出店いただいた店舗さん企業さん同士がつながることで、それぞれのお店でコラボ企画が始まることもあります。例えば、ハンドメイドの作家さんのロゴ入りグッズをスクリーン印刷で作成したりするなど、出店者同士の交流や個人と団体がつながる場になっています。
-この取組を行う上で大切にしていることはなんですか?
新型コロナウイルスが流行する前から、学校と地域とのつながりが少しずつ希薄になってきた時期があって、子ども達が自分の親以外と接する機会があまりありませんでした。そのため、子どもと大人が関わりの持てる場所を作りたいと思っていて、立ち上げ当初、朝市でラムネ販売を行った際にお金のやり取りをする体験の場を設けました。
今は「フリーマーケット」や「特設ステージ」の運営などを子ども達で行っていて、小学生から高校生までの年代がタッグを組み、メインのアナウンスや会場のイベントで使用する物づくりなども行っています。令和6年から始まった「おまつりべごっち屋」は、SNSやホームページで募集した町内の小学生ボランティアに集まってもらい、話し合いを行うなど企画立案を行ってもらっています。子ども達に意見を出してもらうことで、自分達が運営しているという気持ちを持ってもらえるようにしています。
[841 KB]▲特設ステージの様子
[362 KB]▲ハロウィンウォークラリー受付の様子
-今後の展望などがあれば、教えてください。
立ち上げ当初から「みさとっこマーケット」の名前のとおり、美里の地域の方達で作り上げていくお祭りを目指しています。発起人である自分達がずっと続けていくのではなく、新しい若い世代が運営を担って未来につないでいき、その中でやりたいことが挑戦できる場であってほしいと思っています。また、時代に合った形に変えながら、町の人達が楽しく取り組み、参加し、来場してくれる、そのような場作りができていたら嬉しいですね。
[563 KB]▲集合写真
<取材を終えて>
今回、美里町で地域住民が中心となって企画・実施している「みさとっこマーケット」の取組について、御紹介しました。子どもから大人まで自分のやりたいことに挑戦することができる場をつくり、地域全体で魅力あふれる町を作っていくという想いが感じられる取組でした。今後も新しい世代、人と人がつながり、住民さんが美里町を自慢したくなる町になるように、取組が続いていくことを期待しています。
これからも各地域の取組について、情報を発信していきます。