宮城県地域共生社会推進会議では、宮城県内の困りごとを抱えた高齢者・障害・子ども等の分野を超えた支援や地域住民の支え合い活動及び自治体・社協・福祉関係団体、NPO、企業などの連携事例を調査し、活動内容などについて情報発信を行っています。
今回は南三陸町社会福祉協議会(以下「南三陸町社協という。」)が行っている災害公営住宅(自治会)と学生をつなぐ「宮城県被災地域コミュニティ活性化支援事業」の一環として、南三陸町社協と東北学院大学地域コミュニティ学科(増子ゼミ)の学生が行った取組を御紹介します。
取組概要
1 結の夕涼み会への参加
8月23日に南三陸町社協が運営している「地域住民の居場所支え合いの拠点」である「結の里」の駐車場で、災害公営住宅の住民や近隣住民が交流できるイベントが開催されました。そのイベントの中でスイカ割りやクイズ大会、ビンゴ大会を学生主体で行っており、東北学院大学の学生と南三陸町の子どもから高齢者まで幅広い年代の住民と関わる機会になりました。[867 KB]
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2 災害公営住宅の住民への個別訪問・ヒアリング
8月24日に南三陸町社協の髙橋事務局長から「被災者支援活動から学んだ住民主体の本質」と題して、震災当初の状況や被災者自身が被災者を支えた生活支援員の取組について説明がありました。東北学院大学の学生の皆さんも真剣なまなざしで話を聞いていました。
講義後、南三陸町にある災害公営住宅を訪問し、災害を経験された住民に災害時の体験やその後の生活の変化、災害公営住宅に住む上で感じていることなどについて、学生によるヒアリングが行われました。住民からは、災害公営住宅に住む方々との支え合いができているとの話があった一方で、住民の高齢化や空き部屋問題などの課題も聞かれました。[616 KB]
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インタビュー
今回参加した2名の学生にインタビューを行いました。[784 KB]
▲東北学院大学の皆さんと個別訪問に御協力いただいた住民の皆さん
東北学院大学 地域コミュニティ学科 3年 三浦 隼人さん
3年 遊佐 乃愛さん
※写真一列目左から三浦さん、遊佐さん
-結の夕涼み会に参加する前の印象を聞かせてください。
(三浦さん)
私は栗原市が地元ですが、最初は栗原市の地域交流のイベントと同じ規模かなと思ってましたが、実際に参加してみると思ったより大きな規模で、地域の大人から子どもまでが参加し、自分達で盛り上げ、参加者自身がすごく楽しんでいるなと感じました。
(遊佐さん)
最初は事務的な感じで活動しているイメージでマニュアル通りに活動しているのかと思いましたが、実際に南三陸町社協の皆さんにお会いしてみて、想像以上にすごくパワフルで職員さん自身がすごく楽しんでやっている感じが伝わってきました。また、自分自身でこうしたいとか、住民さんと一緒に作り上げていくという想いが感じられました。[820 KB]
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-今回のイベント、参加してみてどうでしたか?
(三浦さん)
一番頑張ったスイカ割りが一番楽しかったと思います。思ってたよりうまくスイカが割れなくて、苦戦している人が多かったですけど、周りのみんなで声を出して誘導して割れた時は楽しかったです。今日は大人から子どもまで多くの人が参加してくれていましたが、イベントを進行する上で特に小さい子どもを優先して話を振ったり、参加してもらえるように心掛けました。
(遊佐さん)
今回のイベントには子ども達もたくさんボランティアとして参加していて、大人が楽しんでいる姿を見ることで、子ども達も真似して楽しんでいるように感じましたし、このようなイベントを通じて、地域住民のつながりができていくのかなと思いました。
-今回、災害公営住宅を訪問しますが、聞いてみたいことや話を聞いた感想を教えてください。
(三浦さん)※訪問前のインタビュー
いままで災害に遭われた方と交流したことがなかったので、良くも悪くも震災時の困ってた時のイメージで止まっていました。今回のような機会は中々ないと思うので、震災時と現在でどのように変わったのか、困っていることはどんなことがあるのかを聞いてみたいと思います。
(遊佐さん)※訪問後のインタビュー
私は大河原町の出身で、震災の時は停電や断水の被害があった程度でしたが、今回インタビューの中で、海の方に住んでいる人は津波で家が流されてしまい、別な場所に家を買ったことで近所の人も変わってしまい、地域のつながりがなくなってしまったとの話を聞くことができました。話を伺った方からは、仕事が終わった後にぼーっと過ごすのではなく、町のイベントなどに参加することで、社会とつながることが楽しいと話されていたので、私自身もそうなりたいと思いました。[684 KB]
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<取材を終えて>
今回、南三陸町社協が令和7年度から行っている災害公営住宅(自治会)と学生をつなぐ「宮城県被災地域コミュニティ活性化支援事業」の一環として行なった取組に参加してきました。南三陸町社協が実践している、地域住民が主体となり楽しみながら様々な人を巻き込みつながっていく取組は、東北学院大学の学生にとって中々体験することのできないものだったと思います。
今回参加した学生からは、大人が楽しむことで子どもたちも楽しく地域とつながれることや、学生自身も地域とつながる取組に参加したいとの想いを聞くことができました。南三陸町社協と東北学院大学の学生との取組は2月にも実施する予定との話でしたので、引き続き南三陸町社協が行う学生と地域をつなぐ取組に注目していきたいと思います。
これからも各地域の取組について、情報を発信していきます。